ヒロインかと思えば、親友ポジでした【d!】

二十一話 ページ22

学生と言ったらあれ、席替え。

攻略対象がわんさかいるクラスなら良かったんだろうけど。

あ、ゾムと近くになるのかな。どっちにしろシャオロンかゾムか、はたまたどっちもと近くなるのか。

確か初めはシナリオ的に私は必ず隣になるんだけど、それから後は絶対に近くにはならなかったはず。

それどころか私は、ルートが確立する二年生後半くらいからほぼ空気になるからな。

朝からソワソワした顔のクラスメイト。

ヒロインは何やら神妙な顔で人を寄せ付けていない。
おおかた昨日なんかあったか。気になるけど聞けない。

ただシャオロンは不服そうな表情をしている。ヒロインと離れるのが嫌なんだろう。

実はヒロインが私に「この人の近くにして！」って頼んでくれたら実際にそうなるというサポート能力持ってる。

この乙女ゲーム好感度上げ以外イージーなゲームだから。

『えみりちゃん！隣になりたい人って…いる？』

ヒロインに話しかけると、少し遅れて反応する。

たぶん今ヒロイン選択肢出てる。

「あっ、そうだね。私は別に、どこでもいいけど…」

『そっか…じゃあ、運に任せるしかないね』

「うん」

これ、実はどっちとも近くになる選択肢なんだよね。流石だなヒロイン。

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