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「信じてもらえないと思うけれど、私っ、本当は虐めたくなんかないのにAさんに命令されて今までこんなことしてきていたの!!」

「っえ、何いって、…そんな」

「嘘じゃない!今日だって金で自分の人生を売るように…そんな、こんなことまたやれだって!!…Aさん、彼女は最低最悪よ。それでいて、死ぬほど魅力的。ああ、ねぇ聞いてシャオロン君!!私、わたし!!Aさんに命令されて、叱ってもらえて、死ぬほど嬉しかった!!彼女、なんて自分に忠実な部下を作るのが上手いんだろう!私のみならず、クラスの馬鹿ども計41人は全て彼女の言いなり!汚れ仕事を進んで受ける奴らの集まりよ!!……あ、ぁ、そんな、そんな下僕の中から私が唯一選ばれて叱ってもらえた。嬉しい、嬉しいのよ私!!!」

やわこい彼女の身体の輪郭が、荒い呼吸に合わせて上下する。何度も蹴られた腹を抉るようにローファーの爪先でグリグリと踏まれると鈍い痛みがシャオロンの脳髄を揺らす。声を荒げて叫ぶようにAを語る彼女の言葉に脳汁の溢れるような、セロトニン、ドーパミン、その他諸々の脳内ホルモンのドバドバ滴るような、そんな興奮にシャオロンは鼓動を打ち鳴らしていた。

「あ"ぁ、っはは、あははは!!最高やんそんなの!!!A、Aがわざわざ他人を貶めてまで俺を必要としてくれとる!!!どーせ今日も、あと少ししたら俺を助けに来てくれる!!かわええ、かわええよなぁ馬鹿なA!!」

「んふふ、そうね。最高だわAさんは!だから、私はアンタを虐めることをやめない!唯一無二の、彼女の薄汚い側面をいつだって眺めていられる、そんな立場を譲らないわ!!」

「あ''ー、俺も。Aの唯一無二は絶対に譲らへん。っは、はは、全てが自分の思うままなんて烏滸がましい勘違いをしとるAが世界で一番かわええわ!!」

「嗚呼、馬鹿なAがこんなにもかわいい」

体育館裏、20××年××月×日。Aに飼い殺される哀れな可哀らしい駄犬どもの会話。

Aが救世主として現れるまで、あと3分24秒。

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雨蛙躑躅(プロフ) - ハトポッポさん» コメントありがとうございます。己の好きを詰め込んだに過ぎないのですが、そんな風に温かいお言葉をいただけて雨蛙はこれ以上ないほどの幸せものですね!読んでくれてありがとう!これからも雨蛙をよろしくお願いします!! (4月14日 13時) (レス) id: 41dac67fa3 (このIDを非表示/違反報告)
ハトポッポ - 最高です。苦しくなるような美しい世界感が大好きです。 (4月14日 0時) (レス) id: c3e1e2758f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨蛙 | 作成日時:2024年3月25日 20時

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